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2011 年度 実績報告書

耐ノイズ性・耐ばらつき性を有する高信頼性ディジタル回路の設計

研究課題

研究課題/領域番号 21500059
研究機関首都大学東京

研究代表者

三浦 幸也  首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (00254152)

キーワードディペンダルブルコンピューティング / ノイズ / フリップフロップ / VLSI / 高信頼化設計 / 遅延故障 / 遅延検知
研究概要

VLSIが低電圧化・高速化・微細化するにつれ,各種のノイズや製造ばらつきによる誤動作が問題となっている.特に微細化されたVLSIではソフトエラーによる誤動作への対策は,高信頼性VLSIを実現するための重要な課題となっている.一般には,これらの発生予測や完全排除は困難であり,回路設計レベルでの対策が有効であると考えられる.そのために,既存回路と互換性・整合性の取れるノイズ耐性・ばらつき耐性のある回路構造を実現し,また従来設計の回路との混在を可能にすることを目指す.更に現行の設計手法で実現可能であることなど,広い適用性と低コストでの実現を目指す.これらの研究目標に対して,今年度は以下の成果を得ることができた.
ノイズパルスをブロックできるエッジトリガーフリップフロップの設計とその応用: 本研究では,付加クロック信号や回路の冗長化なしにクロック信号の立上りエッジと立下りエッジの両方を活用したデュアルエッジトリガフリップフロップを提案している.今年度は昨年度提案したフリップフロップ回路の回路サイズ,消費電力,動作速度の改善を目的にして新たに回と設計を行った。その結果,回路サイズを53%に,消費電力を93%に,動作速度を144%に向上させることができた.
このフリップフロップの適用例として遅延検知と信号遅延訂正への応用を検討した.提案のフリップフロップは,立上りと立下りの両エッジのデータ値が異なるときに警告信号を出力する.この機能を拡張することで,データ信号の遅延の増加・減少を検知し,またフリップフロップの出力値を強制的に反戦することで,遅延信号の訂正が行える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題の主目的は,データ信号線に発生するノイズの影響を受けないフリップフロップを開発することである.昨年度はこれを実現するエッジトリガタイプのフリッププロップを開発し,また特許出願も行った.さらにこの結果から得た知見を信号遅延の検知と訂正に応用できる可能性が判明し,本研究課題の申請時に予想しえ得なかった新たな有効性を確認できた.

今後の研究の推進方策

これまではエッジトリガタイプのフリップフロップを対象にしていたが,今後はレベルセンシティブタイプのフリップフロップを対象に,耐ノイズ性のある回路の開発を行う.またノイズと信号遅延の両方を対象にした高信頼化手法についても検討を進める.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dual Edge Triggered Flip-Flop for Noise Aware Design2011

    • 著者名/発表者名
      Yukiya Miura
    • 雑誌名

      Proc.IEEE European Test Symposium 2011

      ページ: 217-217

    • DOI

      10.1109/ETS.2011.28

    • 査読あり
  • [学会発表] デュアルエッジトリガフリップフロップの設計と信号遅延検知への応用2012

    • 著者名/発表者名
      大川善大, 三浦幸也
    • 学会等名
      電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会
    • 発表場所
      機械振興会館(東京都)
    • 年月日
      2012-02-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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