研究概要 |
本年度は、テレビのエネルギー消費の低減化を目的とした、「イメージ・センサによる多数のユーザーの振る舞い監視技術の開発」と「視聴者認識に基づくバックライト輝度・システム状態の最適化に関する研究」を行った。詳細は以下の通りである。 1.到達目標の設定。提案技術により可能となる諸特性の改善度を定量的に検討し、到達目標を明確にする。また、テレビ電力管理技術に関する仕様策定、技術の互換性、視聴者認識機能、入出力インターフェイス、ハードウェア設計に関する要求仕様を決定した。 2.アルゴリズムの開発。提案する新電力管理技術において、1個のカメラのみを用いて低消費電力かつ効率よく多数の視聴者を検出するアルゴリズムの開発を行った。ここでは,動画像における顔領域抽出(6分割フィルタとサポート・ベクタ・マシンによる顔領域検出,雑音除去,ラベリングなど)処理や瞳検出処理に関する演算量とメモリ・アクセス回数を削減する手法の検討を行い、そのアルゴリズムを確立した。更に、視聴者の振る舞いによるバックライト輝度の多段制御手法,電圧の変換手法,制御アルゴリズムの最適化に関する調査を行った。 3.実験評価。上記のアルゴリズムを構築した後、調書記載のパソコン上でシミュレーションならびに検証を行った。その動作精度、タイミング、消費エネルギーについて、現在のテレビが備えている電力管理システムと比較し、提案する技術の有効性を確認した。また、テレビに提案技術を組み込んだときの様々な動作モードでの消費エネルギー量を見積もり、既存技術との比較を行った。
|