研究課題/領域番号 |
21500069
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
張 勇兵 筑波大学, システム情報系, 教授 (80242353)
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研究分担者 |
高木 英明 筑波大学, システム情報系, 教授 (30260467)
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キーワード | 無線マルチホップネットワーク / ゲートウェイ / 無線資源割当 / クラスタリング / ルーティング / 負荷の均等化 / トポロジーの再構築 / 性能評価 |
研究概要 |
本研究は、無線メッシュネットワークや無線センサーネットワークなどのようなマルチホップ型無線通信ネットワークにおける通信資源を効率的に利用することにより、ネットワークスループットの最大化および通信フローの公平性を実現する方法の提案を目的としている。このような通信ネットワークにおいては、無線通信端末(ノード)は他のネットワーク(例えば、インターネット)にある端末とデータ通信を行う際、他のネットワークに接続されている1つ以上のゲートウェイノードを経由する必要があるため、従来研究では、ゲートウェイから全ノードまでの最短通信経路からなるツリーを利用することが多かった。本研究では、スループットの最大化および通信フローの公平性を実現するため、まず、複数のノードをグループ化することにより、トラヒックの集約化・圧縮化を図り、そして、各ノードからゲートウェイまでの通信経路を複数持たせるようにした。また、隣接ノードのフロー情報を利用することにより、ゲートウェイまでの複数通信経路を流れる通信フローを均等化する手法を提案した。さらに、ノードが移動することにより、ネットワークトポロジーに変化が生じた際、トポロジーに変化が起こった位置周辺に限定するような必要最小限の経路変更手法を開発した。提案方式の有効性を検証するため、シミュレーション手法による性能評価を行った。その結果によると、従来の方式より通信資源の利用効率を高めたほか、各ノードを流れる通信トラヒックをより均等化することができた。本研究で提案した手法は、大規模ネットワークにおける通信負荷の不均衡を解消し、通信端末の寿命を延ばすために役に立てる技術として期待できる。これらの研究成果はIEEE主催の国際会議で発表され、さらに拡張・改善された研究成果は現在国際学術雑誌に投稿中である。
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