研究課題
本研究ではセンサーデータを用いてパブリックスペースにおける群衆の近接ネットワークを抽出し、近接ネットワークの構造と意味に基づいたコンテクストアウェアサービスを提供するシステムを実現する。ここでいう近接ネットワークとは、群衆の近接関係を示すセンサーデータから「出会い」の頻度、時間、距離等を考慮して、歩行者をノード、「出会い」をリンクとして構成されるネットワークである。このネットワークの構造的特徴と社会的意味を分析し、得られた知見に基づくコンテクストアウェアサービスフレームワークを構築する。更に、このフレームワークに基づいた「群衆コンテクスト抽出ツールキット」を開発し、群衆インタラクションの理論の検討を行う。平成22年度には、平成21年度までの成果に基づいてコンテクスト抽出アルゴリズムの改良と近接ネットワーク合成手法・システムに関する研究を行い、過去に収集したフィールドデータに基づいてプライバシー保護手法の検討を行った。具体的な内容は、以下の通りである:1.コンテクスト抽出アルゴリズムの改良:平成21年度に行った基礎的な検討に基づき、近接ネットワークに基づいてコミュニティを高速に抽出するための改良を行った。2.近接ネットワーク合成手法・システムの開発:ユーザを中心とするego-centricネットワークと、場を中心とするplace-basedネットワークを補完的に統合利用するための手法を開発し、これに基づくアプリケーションを試作した。3.フィールドデータに基づくプライバシーについての検討:RFIDを用いたイベント支援のフィールド実験のデータに基づき、本研究におけるプライバシー保護のあり方について検討を行った。
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Proceedings of the Conference on Creating, Connecting and Collaborating through Computing (C5)
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