研究概要 |
従来アドホック的に行われてきた分散配送スケジューリング問題に対して、理論的な枠組みを構築することを目的とした。確率的分散制約最適化による資源割り当て手法を基本とし、動的問題に拡張することにより、理論に裏打ちされたピアツーピア型動画配信アルゴリズムを開発した。 まず、配信経路を、最小生成木として構築した後、次数制約付き最小生成木の最適化問題に定式化した。さらにこの定式化に基づき、厳密解放dd-mstを提案した。この解法は,各エージェントがメッセージ交換を伴う協調計算により,大域的に最適な厳密解を得る手法である.この解法は,関連研究で提案された電力網におけるフィーダツリー生成手法の基本的な枠組みを,分散DCMSTに一般化して適用するものといえる. 厳密解放では、最悪の場合、探索すべき最大の組み合わせはエージェント数に対して指数関数的に増加する欠点がある。そこで近似解法としてdd-mstの探索空間を削減する手法についても提案した。評価実験では,各エージェントの解探索において,ある程度の部分木を切り捨てて,組み合わせを削減する近似解法を用いて,探索空間を削減しつつ,ある程度の解の質を得ることができた.特に,部分木の辺の総コストと,次数の余剰数の最小値の両方に基づく優先探索を用いる手法の有効性が示された.
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