研究概要 |
環境・安全などの社会的ニーズに応えるための「ソリューションシステム」,21世紀のライフスタイルを創出して行くための「エマージェントシステム」への期待が高まっている.本研究室では,これらに応えるためのシステムとしてアドホックネットワーク技術と知的ロボット技術を融合した「群知能ネットワーク・ロボットシステム」の実用化を目指している.本研究では従来それぞれの分野で研究が進められていたアドホックネットワーク技術と知的ロボット技術を複雑適応系の観点で融合するための方法論を提案し,災害時の救助活動,不審者の監視・捕捉行動などへの導入を前提とした検証実験を通して,「群知能ネットワーク・ロボットシステム」の有用性と今後の発展性を明らかにすることを目的としている.最終年度にあたる本年度は 1.最終の検証実験 センサノード群に加え,複数のモバイルノードと自律的移動ロボットを用いた災害時の救助活動への導入を前提とした詳細な検証実験を行った.その結果,シミュレーション実験の場合のようには機能しないことがわかった.この理由は,主に各種機器の測定精度の低さにあるが,各ノード(自律移動ロボットに加え,固定センサノード群及び複数のモバイルノードを含む)には,それ(測定精度の低さ)をも考慮した適応的な行為の実行が期待される.今後,そのための方法論について検討していく必要がある. 2.研究の総括と残された課題の整理 検証実験の結果に基づき,本研究の成果をまとめた. (1)不審者の監視・捕捉行動などのタスクには現状のシステムでも十分に対処できることを明らかにした. (2)災害時の救助活動への導入を前提とした場合には十分な性能が期待できない.残された課題のその解決策について整理した.
|