研究課題
シングルセルに仮想化可能とする連結マイクロセルについて、研究の位置づけとパケット転送プロトコルの具体化の研究を行った。本研究について、将来は移動通信にもマルチメディア普及が必要であるという位置づけで研究を行ってきた。しかし、マイクロセルだけでは厖大な基地局と新規投資を必要とし、需要が比較的少ない地域への設置は困難である。このため、マクロセル方式とマイクロセル方式が協調しあう統合移動通信網の概念を構築し、研究発表を行った。統合移動通信網ではマイクロセル網とマクロセル網を端末には単一網と見せる技術である。これを実現するには、今後(1)IPベースのページング網、(2)新たなモーバイルコンピューティング技術、(3)両方式に共通化するゲートウエー技術、(4)両者間を任意に移動できる新たな垂直ハンドオーバ技術を検討する必要があることを示した。連結マイクロセルを実現するプロトコルについて、多重ポーリングとシングルポーリング間を移行する制御法を中心に検討を行った。本研究では、高速移動支援を行う複数セルへの多重ポーリングと、効率の高いパケット転送を行うシングルポーリングを併用することが必要であり、両者間で移行する有効な制御方式が必要である。単純には電波強度を測定し、電波強度が強いときはシングルポーリング、電波強度が弱くなったとき多重ポーリングと電波強度による制御が考えられる。しかし、無線環境はマルチパス、フェーディングなど複雑であり、電波強度だけではうまく動作しない可能性がある。このため、端末が在圏するセルを主セルとし、主セルがポーリング応答を得たら他のセルに転送し、複数セル間では転送情報の到来をタイミング監視し、応答転送が来なかったとき各セルが多重ポーリングを行う自律的多重ポーリング起動方式を考案し、研究発表を行った。
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IEICE TRANS. Commun., November 2009. VOL.E92-B, NO.11
ページ: 275-280
Proceedings of the 12th International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications (電子出版全5)
Proceedings of 7th IEEE International Symposium on Communication Systems, Networks, Oct.2009. (電子出版全5)