1 3次元頭蓋顔面骨形状の統計分析:3次元頭蓋顔面骨データベースは、(1)CTデータ、(2)メッシュデータ、(3)特徴点データ、の3階層から構成され、現在70サンプルのデータが格納されている。このデータベースに対して、以下の解析を行った。 (1) メッシュデータの主値解析:昨年度、特徴点データの主値解析を行い、固有空間の次元数が36次元程度であることが判明した。今年度、メッシュデータ(3279頂点)に関しても主値解析を行った。その結果、次元数は32次元とやや少なくなることが判明した。これは、特徴点は冗長性が比較的低い顔面部に多く配置されているのに対し、メッシュ頂点は均一に配置され、冗長性の高い後頭部の影響が強いためと考えられる。 (2) 独立成分分析:特徴点データおよびメッシュデータに対して、独立成分分析を行い、部位の個人間変動に関して統計的に独立な成分を抽出した。分析アルゴリズムとしては、収束が早いとされるFastICA法を用いた。独立成分に関するヒストグラムを取ったところ、尖度の高いことが認められ、独立性の高い成分が抽出されていると考えられる。形態学的な分析を進めてゆきたい。 2 特徴点指定システム:3Dデータベースの登録、更新において特徴点の対話操作が必要である。この3次元対話操作において、3次元表示、触覚デバイスなどのマルチモーダル処理の導入を行い、評価した。その結果、指定時間には顕著な向上は認められなかったが、指定精度の改善が観測された。
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