研究概要 |
本研究は,トレーサビリティ・データマイニングのアルゴリズム設計と計算機実験の2つから構成される. 平成22年度は,以下に示すような計算機によるアルゴリズムの評価を中心に進めた. (1)既存の並列分散マイニングアルゴリズムとの比較評価 分散計算機環境下で,本提案のプログラムと既存の並列分散マイニングアルゴリズムを実行させて,比較評価を行った.評価は,計算時間,探索対象属性数,データソースアクセス数などを,製造工程のさまざまな前提条件下で仮想的にデータを生成して行った.まずトレーサビリティ・データ生成プログラムを開発・実装し,その後ネットワークで接続された分散環境の下で評価を行った. (2)製造工程トレーサビリティ・データによる故障原因分析の評価 実際の製造工程を模倣した実験環境を構築し,RFIDタグとリーダを利用することによって,製造工程における組み付けデータを収集し,各製造者のデータサーバに保管し,これらのデータサーバをネットワークで接続することによって,本研究で開発したドリルダウン型マイニングシステムを実証実験した.構築する実験設備には,RFIDリーダとアンテナを複数台用意することによって,流通過程での部品受領と製品出荷のタイミングを取得できるようにした.また,データは各ノードのサーバで保管し,インターネットの標準WebServicesプロトコルであるEPCISによってネットワークを介してデータ交換ができるようにした.さまざまな製造条件と不具合条件の下で実データを収集して,データマイニングを評価できるような環境を構築した.
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