研究課題
21年度は、データマイニング結果に関する医学的解釈モデルのプロトタイプ構築を中心課題と設定し、主に(1)診療データからのマイニング結果への専門医の評価に基づき、評価過程での議論や専門医の指摘事項をもとに結果の解釈に必要な要素等として収集・整理を実施したほか、(2)医学的背景知識の収集の一環として、医学文献、特にMedlineからのテキストマイニングを行った。(1)に関しては、千葉大学病院とJAIST、また合同の国際学会発表の機会に、研究分担者および連携研究者との計5回の会合を実施し、(a)診療データのうち肝炎患者に着目してデータ提供を受けることの確認、(b)マイニング手法と疾病に関する相互説明と課題の設定、(c)診療データに対する前処理・時系列抽象化等のマイニング手法の適用、(d)マイニング結果の専門医の評価会を実施することで、評価過程での議論や専門医の指摘事項を収集し、専門家が結果を解釈するうえで必要な要素の洗い出しを実施した。また、この過程で、肝炎の専門医の観点から医学的新知識を考える場合、診療記録のみに関する規則やパターンの発見とは別に、HCVのRNAの変異などomics情報も考慮したマイニングの可能性について提案があり、議論を進めている。(2)に関しては、診療記録上の主要検査項目に着目し、これらを関心辞書とし、各項目とそれに関する記述を抽出・収集・標準化し、文脈リストを作成した。また、項目間の関係・規則間の関係付けのための将来的な文脈情報を狙い、レランス・ラフ集合モデルに基づく代替表現を利用して強い関係を持つ項目の組合せパターンの獲得を試みた。
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Artificial Intelligence in Medicine (印刷中)
BMC Genomics 10 (Suppl. 3)
ページ: S27 (1-10)