研究課題
22年度は、本研究の目的である、A.医学的解釈のモデル化、B.情報の連携と統合によるマイニング結果の再構成する手法、C.実診療データからの新医学的知見発見の試み、の中でも特にBおよびCについて、前年度の肝炎専門家から提案をうけたHCVのRNAの変異などomics情報も考慮したマイニングを試みることでアプローチした。特に、Omicsデータについては、標準的な治療法であるインタフェロン/リバビリン併用の効果に対し、HCVウイルス内のNS5A領域の変異の影響が医学的に注目されているという専門医からの示唆に基づき、ウイルスの配列データの取得・整備を行うとともに、ウイルス遺伝子亜型および著効性に特徴的なパターンを抽出するアルゴリズムの開発を行い、KICSS2010にて準教師付学習によるアプローチと初期的な成果について発表した。これは、Los Alamos研究所のHCVデータに著効性情報を伴うデータが収集されているものの件数が少なく、一方、GenBankや名古屋市立大学では著効性情報がないものの数千件のHCV配列が収集されているという状況を踏まえた2種類のデータを組み合わせる準教師付学習の枠組みで、ウイルス遺伝子亜型および著効性に関する識別パターンの獲得を試みている。また、当初からの関心の対象である診療履歴データについても、千葉大学医学部附属病院のご協力を得て、オリジナルデータの再取得および整理を実施し、共同で医学的な関心にあわせたマイニング課題の設定および医学文献からの背景知識のマイニング結果との連携について再検討を行っている。
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Post proceedings of KICSS2010
巻: LNCS, Springer
BMC Genomics
巻: Vol.11(Suppl4) ページ: 1-9
Journal of Computer Science and Cybernetics
巻: Vol.26, No.2 ページ: 1-15