研究概要 |
本研究では,日独の共同研究を基盤に,コミュニケーションにおける社会・文化的な要因を工学的アプローチにより定量的にモデル化し,会話エージェントシステムとして実装することを目的とする.各課題項目について,22年度の成果を以下に示す. (1)日独間の相槌行動の比較検討:CUBE-Gコーパスのネゴシエーションの会話を分析し日独間で相槌と微笑みによる発話者へのフィードバック行動の違いを分析した.その結果,日本人は定期的に頷きを行うが,ドイツ人は頻度は日本人より少ないが発話終了直後に連続して頷くことが特徴的なパターンであることがわかった,本分析のより,研究目的である日独非言語行動コーパスにおいて,ネゴシエーション会話の頷き,微笑みのアノテーションをほぼ完成させることができた. (2)Kinectによる姿勢認識システムの実装:異文化コミュニケーションエージェントを実装するためには,ユーザの非言語行動を自動認識する技術が不可欠である.その一環として,Kinectセンサーにおける骨格情報と深度情報を統合することにより,機械学習の手法を用いて,日本人に特徴的な姿勢(顔を手におく,手を組む,手を後ろで組む等)5種類を精度よく認識する技術を開発した. (3)EUプロジェクトeCUTEの推進:昨年度から参加しているEUのFP7プロジェクトであるeCUTEにおいて,引き続きプロジェクトメンバとして活動し,ドイツアウグスブルグ大学との共同研究が国際会議IVA2012に採択されるとともに,eCUTEで主催するワークショップでも発表を行った.
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