研究概要 |
本年度は前年度に続き,センサを用いた幼児の行動分析の国際比較のための準備をおこなった.しかしいくつかの問題が発生し,残念ながら必ずしも予定通り進まなかった.最も大きな問題は,比較対象の国としてとりあげる予定であったフィンランドの担当者が,急に退職することになり,比較対象とすることが難しくなった.これについては,今後早急に対策を講ずるつもりである. 研究実施計画に予定したソシオグラムの自動生成については,3次元ステレオカメラを用いて,被験者の視線と見ている時間を基にした方法についての検討を行い,プロトタイプの開発を行った.また,加速度センサを併用して,幼児の保育活動時間における集中度を推定する方式を考案し,それを読み聞かせという保育活動に適用した.その結果約80%の精度で集中している幼児を特定することができた.これらの成果は国際比較においても適用出来る手法であり,より広範な行動の分析を可能にするものである.現在はこれらの手法を日本の幼児教育活動に適用している状況である.具体的には読み聞かせと呼ばれる活動と素話しという活動の間の比較を行っている.これらの対象に適用することにより,計測のノウハウの蓄積を行って,次年度以降の研究に活用する計画である.
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