研究概要 |
前年度の報告書に述べたように,提携を予定していた研究者の都合が急変したことにより,それに替わる提携先を探していたが,結局適切な提携先を見いだすことが出来ず,そのため行動分析の国際比較という当初の目的は断念せざるを得なくなった.そこで,行動分析の時に利用したセンサ技術の新たな展開先として,加速度センサを併用して,幼児の保育活動時間における集中度を推定する方式を考案し,それを読み聞かせという保育活動に適用した.その結果約80%の精度で集中している幼児を特定することができた.これらの成果は国際比較においても適用出来る手法であり,より広範な行動の分析を可能にするものである.また,新たな応用として,画像センサと視線検出機能を利用して,絵本読み聞かせ時における視線の移動と注視を検出し,絵本の読者(幼児)がどこに興味を持ったかということを抽出するシステムの検討をおこない,プロトタイプシステムを構築した.さらにこの技術を大画面表示装置に適用することにより,幼児だけでなくさらに広範囲の被験者の,プレゼンテーション等に対する集中度,注視度の検出に適用することを行った.具体的には大学で提供されているビデオ講義に適用し,受講生の集中度とコンテンツ内容,講師の話し方等の相関を計測する手法の基礎的な部分を確立した.これらの技術は現在までのところ対外発表までには至っていないが,今後早急に成果を整理し対外的に発表する予定である.
|