研究概要 |
1会話支援知識ベースの構築 失語症や認知症などの高次脳機能障害の方々の会話支援への応用を考えると、会話支援知識ベースには会話の話題に関連する単語や図などのデータが必要となる。会話支援知識ベースの初期プロトタイプとして、失語症者の会話支援に実績のある「楽々自由会話」の単語帳のデータをもとに単語間の意味的な関係記述を付加し、RDF(Resource Description Framework)データベースとして構成した。これにより、知識ベースを様々な会話支援に活用する基盤を構成できた。例えば、単語間の意味的リンクをたどることにより、会話のコンテキストに沿って単語を提示することが容易になる。また、単語間の意味的な階層構造を活用することにより、単語に付与された質問文テンプレートから効率的に質問文を生成できるようになる。 さらに、会話支援知識ベースのコンテンツを充実させる手法の一つして、インターネット上のWikipediaのデータをもとにして、会話の流れにそった単語の提示が可能になるように連想単語リストを生成する手法を提案した。また、知識ベースの構築において単語の意味的な関係記述にはオントロジーが必要になる。オントロジーの専門家以外も知識ベースの構築に参加できるように初心者を対象としたオントロジー作成支援システムを提案した。 2実証実験環境の構築 初期プロトタイプとして構築した会話支援知識ベースをWeb共有の考え方に基づく遠隔会話支援ツール「指差しチャット」のサーバに組み込み,両者が連携して動作できるようにした。これにより、会話支援の実証実験環境を構築した。
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