1.会話支援知識ベース間連携方式 失語症や認知症などの高次脳機能障害の方々の会話支援への応用においては、幅広い話題に対応することが必要となる。そこで、それぞれのユーザが自分に関係する話題も含め会話支援知識ベースに蓄え、それらの知識ベース間を連携させ、ユーザ間でデータを共有させることでより広い話題に対応することが望まれる。会話支援知識ベースはRDF (Resource Description Framework)を活用したデータベースとして構築しており、異なる知識ベース間でリンクを張ることにより、知識ベース間の連携を実現する。会話支援という観点からは追加するデータについて個人的なものとそうでないものとが考えられる。そこで、リンクをたどる際のアクセス制御方式を提案した。さらに、アクセス制御を段階的に定義できるようにすることで試行錯誤的にアクセス権限を指定できるようにした。また、Web共有の考え方に基づく遠隔会話支援ツール「指差しチャット」との連携方式を検討し、異なるアクセス権限のユーザが同時に会話支援知識ベースを使用できるようにした。 2.会話支援知識ベースコンテンツ獲得方式 会話支援知識ベースのコンテンツとしてWeb上のリソースは有用である。会話支援知識ベースがRDFデータベースとして構築されていることから、WebリソースをURI (Uniform Resource Identifier)として会話支援知識ベースの中に取り込めるようにした。この際に、シソーラス辞書を活用して、既存の知識ベース内の他の話題とのリンクをつけることにより効果的にWeb上のリソースを取り込む手法を提案した。
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