研究概要 |
高輝度FPDにおいて高臨場感HDR映像を再現することを最終目標として,平成22年度は,以下の3項目について取り組むことを目標としていた.[1]色順応を考慮したHDR画像のトーンマッピング法を開発する.[2]高輝度ディスプレイのマルチレベルハーフトーニング手法を開発する.[3]種々の色度,輝度をもつHDRシーンデータベースを構築する.それぞれの項目に対する実績を記す. [1]色順応を考慮したHDR画像のトーンマッピング技術の構築:先行研究で提案している昼光下におけるHDR画像のトーンマッピング法に対して,色温度予測手法を導入することによって,不完全順応を考慮したトーンマッピング技術を構築中である.既に,構築したアルゴリズムを用いて,白熱光源下において主観評価実験を進めており,良好な知見が得られつつある. [2]マルチレベルハーフトーニング技術の構築:ハーフトーニング手法を構築中である.予算の都合により,当初計画していたディスプレイを購入を次年度に延期したため,詳細な実証実験は次年度以降に行うこととした. [3]HDRシーンデータベースの収集:様々な色温度のHDRシーンについて,屋内外において撮影し,データの獲得を継続している. また,次年度以降に計画していた以下の内容について,今年度から着手した. [4]主観評価実験を通じた実シーンと再現画像の色度変化の解析:種々のトーンマッピング法による再現画像と主観評価値との関係について,被験者による予備実験を開始した.D65光源下とA光源下では,色度差と主観評価値との関係に異なる結果が得られており,さらに解析を進める予定である.
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