わが国における生活習慣の変化により内臓疾患の患者が増加し、胃癌、脳溢血など次々と国民病になる可能のある内臓疾患が現れている。国民病の予防には胃の集団検診のように集団検診が有効である。多量のデータを扱う集団検診では、モデルデータを利用した疑わしいデータと健全なデータとの効率的な識別分類が必要となる。現状では判別は、判読医の訓練と長年の経験によって行われている。しかし、対象となる臓器の種類、判別すべき病変の多様化に伴い、判読医の養成に長い時間が掛かることが問題となっている。そこで、医学教育用への利用と、高度診断支援として、臓器ごとの電子化された標準データの構築と検索技術が望まれている。 本研究では、多数の臓器画像から、個人差による変化、年齢による経年変動を確率変動として、学習によって得られる平均化された規格化臓器を診断のためのモデルとすること提案するとともに、効率のよう照合法と検索法を構築した。そのために、 1.臓器形状の個人、経年変化の確率モデル化 2.学習による平均モデルの構築 3.規格化臓器を標準蓄積モデルとした病変変化部分の検索 について、確率的固体変形理論の立場から、臓器形状の数理モデルに付いて研究し、 1.臓器の平均形状の定義 2.定義に基づいた平均形状の計算法 3.計算のためのコード を得た。
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