研究概要 |
近年の映像装置の進歩は目覚しい物があ,表示装置では,ディ入プレイデバイスの開発が進み,コントラストや色再現のよい装置が市販されている.また,液晶ディスプレイのバックライトにLEDアレイを用いることで,階調を変えた部分発光が可能になり,さらに高コントラストでダイナミックレンジが広い映像提示が可能になっている.しかし,表示対象の光沢感や深みと言った質感を表現するには,色再現性がよくかつ広いダイナミックレンジの高精細表示を可能にする表示装置が不可欠である. そこで本研究は,ほぼ同サイズのプラズマディスプレイと液晶パネルを組み合わせ, プラズマディスプレイをバックライトに採用することによる画素ごとの輝度・色の制御を実現し,より高コントラストで色再現性の高いハイダイナミックレンジ提示装置の実現を目指すものである. 具体的には,プラズマディスプレイをバックライトに使用することで, どのくらいのダイナミックレンジを実現できるかを検証し,システムの有効性を評価する.また,画素単位での制御を行うための位置合わせのためのキャリブレーション手法の開発を行い,画素単位制御による輝度や色のにじみがどの程度生じるのか,色再現精度の検証を行う.さらに,提案システムに適したバックライト(プラズマディスプレイ)と液晶パネルへの効果的な映像信号の分割方法について,人間の視覚特性を考慮して検討を行う. 平成21年度においては,まず,液晶パネルとプラズマディスプレイを組み合せた際の性能評価の基礎データとしで,市販の液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイをそれぞれ単体でどの程度の輝度分解能や色再現性があるかを分光輝度計を用いて計測した.次に,液晶ディスプレイを分解し,液晶パネルのみを取り出しプラズマディスプレイと組み合せ,提案システムの構築を行った.
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