研究概要 |
「非線形構造的信号/画像分析法の高度化」 研究代表者らは,標準的なカラーイメージングシステムによって観測された信号やその出力画像の構造を分析する数学的手法として,乗算型BV-G-L2構造的非線形画像分解表現やBV-L1-L2構造的非線形画像分解表現を考案し,これによって信号依存性を有したノイズなどの妨害因子を分離可能であることを確認している.本年度は,この手法を,カラーチャンネル間の相互相関を考慮した画像分解表現が可能となるように高度化し,また高速計算アルゴリズムを開発することによって,高機能イメージングの観測劣化信号から画像を復元する処理や出力画像の分析に特化した構造的非線形画像分解表現法を構築した. 「歪・ノイズの分離法と信号レベルの評価」 高機能イメージングの観測信号に,本年度開発した,構造的非線形画像分解表現法を適用することで,観測劣化信号に含まれる種々の歪・ノイズを分離識別する手法を開発すると共に,イメージングシステムの観測性能を信号レベルで評価する手法を開発した.また,観測劣化信号に含まれる歪・ノイズの性質を分析し,その性質のモデル化を行なった.さらに,観測劣化信号から画像を復元生成するための「画像処理パイプライン」について,構造的非線形画像分解表現のコンセプトに基づき理論解析し,各種の高機能イメージングに適した新たな構成を導出した.
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