平成22年度は、人間・機械システムが相互的に作用する性質を調べ、そのシステムをモデル化し、本研究室に開発している全方向移動支援ロボットと2関節の腕型のパワーアシスト装置を対象とし、それぞれの制御を構築し、実機検証を行った。具体的には、全方向移動支援ロボットに対しては、高齢者や障害者の歩行支援および介護者のパワーアシストの機能を両立できるため、全方向移動を実現しただけではなく、アドミタンス制御を導入したことにより、人がロボットに載せているか、平地や、坂上り、坂下りかどうかと関わらず、ロボットの使用者に負担が掛からないように制御に成功した。また、2関節の腕型のパワーアシストは、高齢者や介護者など人間の肘と肩関節を支援するパワーアシスト装置、また障害者のリハビリテーション装置として用いられる。従来の研究と異なり、ロボットアームの機械特性を利用することによって、関節の屈筋の筋電だけを用いて、全方向移動支援ロボットに使われたアドミタンス制御を腕型の2関節のパワーアシスト装置に応用・拡張し、独自の制御手法で、筋電の個人差と関係なく、キャリブレーショシをしなくても、実時間でロボットアームを制御し、肘関節の任意的なパワーアシストを実現できた。
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