研究概要 |
我々は,実用的スケッチ入力インタフェース(スケッチ入力IF)の実現を目指し,「曖昧さ」を情報として積極的に活用するユニークで一貫したコンセプトに基づき,基本アルゴリズムからユーザIFに至るまで,手書き図形入力技術の研究を体系的に進めている.本研究課題では特に「図形を表現する描画動作」と「ジェスチャを表現する描画動作」を弁別するアルゴリズムの確立を図り,これにより「図形描画」に加え「ジェスチャによる指示」までも描画動作だけでシームレスに行える格段に高機能なスケッチ入力IFの実現を図ろうとしている. 本年度の成果としては,下記1.および2.の通り2種類のスケッチ入力CADシステムへの実装を完了した.最終年度である平成23年度は3.の結果に基づきIFの使用感のブラッシュアップを行う。さらに,Web公開あるいは展示会への出展などをとおして一般ユーザや専門家の評価を広く収集し,本格的な実用化に向けての準備を進める. 1.ジェスチャ操作可能なSKITの開発 平成21年度に実現した「ジェスチャ操作可能スケッチ入力IF」を我々が既に開発している2次元手書き作図システム「SKIT」に実装し,実務的な2次元作図を行えるジェスチャ操作可能2次元スケッチ入力IFを実現した. 2.ジェスチャ操作可能なBlueGrattoFEPの開発 平成21年度に実現した「ジェスチャ操作可能スケッチ入力IF」を我々が既に開発している3次元手書き立体モデリングシステム「BlueGrottoFEP」に実装し,実務的な3次元幾何立体モデリングを行えるジェスチャ操作可能3次元スケッチ入力IFを実現した. 3.ジェスチャ操作併用の有効性評価 上記の(1)および(2)で開発したシステムを用いて,実務的な作図作業におけるジェスチャ操作可能スケッチ入力IFの有効性の定量的評価を試みた.その結果視覚フィード系の調整およびパラメータの学習最適化をさらに進める必要があるという知見を得た.
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