研究概要 |
我々は,実用的スケッチ入力インタフェース(スケッチ入力IF)の実現を目指し,「曖昧さ」を情報として積極的に活用するユニークで一貫したコンセプトに基づき,基本アルゴリズムからユーザIFに至るまで,手書き図形入力技術の研究を体系的に進めている.本研究課題では特に「図形を表現する描画動作」と「ジェスチャを表現する描画動作」を弁別するアルゴリズムの確立を図り,これにより「図形描画」に加え「ジェスチャによる指示」までも描画動作だけでシームレスに行える格段に高機能なスケッチ入力IFの実現を図ろうとしている. 本年度は,21年度~22年度の2年間で実現した2次元スケッチ入力IF「ジェスチャ操作可能なSKIT」および3次元スケッチ入力IF「ジェスチャ操作可能なBlueGrottoFEP」について,その有効性の定量的評価を行った.また定量評価結果に基づいて視覚フィードバック系の調整およびパラメータの最適化を以下のとおりに進め,IFの使用感のブラッシュアップを行った. 1.ジェスチャ/図形描画の弁別状況をユーザが直感的に理解できるよう表示方法を検討し,実装した. 2.認識された図形に対する多重解像度のスナッピングの状況をユーザが直感的に理解できる表示方法を検討し,実装した. 3.実際に用いるジェスチャパターンに対して弁別率が向上するように弁別アルゴリズムのパラメータの最適化を行った. さらに,展示会(情報処理学会シンポジウムInteraction 2012,於日本科学未来館)への出展をとおして一般ユーザや専門家の評価を広く収集し,本格的な実用化に向けての知見を得た.
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