研究概要 |
現在取り入れられているデザイン手法の多くは,視覚優位のビジュアルコミュニケーションに根ざした手法である.しかしながら人間は,視覚のみならず,聴覚,触覚等,他の感覚器官からも多くの情報を得ている.特に,感情に関する情報は,聴覚・触覚的な情報に負うところも大きい.例えば聴覚においては,音楽作曲理論としてのバークリーメソッドや,サウンドスケープデザイン等,その感覚・感情との関係性についての理論化,換言すればデザイン原理の構築が多く試みられている. 触覚においては,物質の多様性に対応した理論化,あるいはデザイン原理の構成には至っていない,本研究では,環境に無限に存在する物理的な触覚テクスチャを,そのまま情報として扱うのではなく,音楽のコードに対応するような"感覚の物差し"として,感性語であるオノマトペに着目している,言語としてコード化されている音韻と感覚イメージの相関関係の分析をもとに触感覚に基づくデザイン・コードの構築を目指している. 今年度は,昨年度の研究成果に基づいたアウトプットとして,論文発表,それに基づいた展覧会,ワークショップでの研究の公開を行った.また,認知言語学など,積極的に関連学会での議論に参加し,分野を横断してフィードバックをとりいれ,研究を深化した.
|