研究概要 |
マイクロ・ナノレベルである微小物体の感覚量やこれまで不適であった皮膚などを用い,実物体と仮想物体の重畳的画像から複合現実感を提示・教示する感覚モダリティシステムを構築し,人間の不定な感覚量を新たな感覚モダリティとして提供し,伝えることのできるコミュニケーション支援システムを提案するために,当該年度では,微細物体の力覚(反力)および視覚のシミュレータ,顕微操作および触覚システム,また,意識と情動を表出するコミュニケーションシステムの構築を行った. 開発したVCモータ型ハプティックデバイスを,物体の表面形状に応じた力覚操作を得るために,当該年度はハプティックデバイスを2自由度機構への拡張を行った.これまでの上下運動とともに,前後方向の運動を行うために,PSDセンサとレーザーを用いた計測機器を構成した.この2自由度機構の変更にともない,組込みシステムのポートを利用した信号出力形式として,ハプティックデバイスの精度と応答性の向上を図った.このような変更を行い,30Hz以上の幅広いバンド幅が得られ,結果,2Hz程度からの正確な弾性を表現することを可能とした.また,画像処理システムの構成を見直し,カンチレバー部のトラッキングの改良,物体形状に応じた操作を可能とするためのインタフェースの構築を行い,視覚,力覚の複合的な感覚を提示する方法を開発することができた. このようなシステムを用いて,微小弾性物体の表面をなでる操作の他,水,オイル等の表面張力をを計測できることができ,触れるとともに,見る感覚を複合したモダリティシステムを構成でき,言葉で表せない感覚の模擬を可能とするシステムであることの有用性を示すことができた.
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