研究課題/領域番号 |
21500203
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
松浦 和代 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10161928)
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研究分担者 |
細谷 多聞 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (10272189)
吉川 由希子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (50269180)
齊滕 雅也 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (20342446)
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キーワード | 感性 / 感性教材モデル / 次世代 / 小児・母性 / 看護 |
研究概要 |
初年度は、新生児型感性教材モデルの開発に関する基礎的検討として、主として試作モデルの熱性能に関する被験者実験を、北海道札幌市にある総合病院の産科外来にて産後1ヶ月以内の母親を対象に実施した。方法は、被験者が新生児と試作モデルのそれぞれを「抱く直前」・「抱いている途中」・「抱き終えた3分経過後」にて、被験者胸部から腹部までの着衣の表面温度分布を赤外線放射カメラにて記録した。 研究の倫理的配慮については所属施設倫理委員会の承認を得た。また、被験者に対しては、研究概要、研究参加の自由意志の尊重、拒否や中途辞退の権利と不利益からの保護、デジタルカメラ・赤外線放射カメラによる撮影に伴う安全性、個人情報の保護および公開方法などに関する説明を行い、同意書に署名を得た。実験の結果、以下の1)から3)が確認できた。1)試作モデルの「やわらかさ」の評価は、新生児に近い評価を得た。2)「重たさ」の評価は、試作モデル頭部の重量感が新生児より軽いことがわかった。3)「温かさ」の評価は、試作モデルを抱き終えた被験者の着衣表面温は平均30℃で、新生児より若干低く、「温かさ」の持続性について課題を得た。 実用化に向けた今後の課題としては、モデル体内の熱源ポイント数を増やす、もしくは、熱伝導性能・熱容量の高い材料を選択するなどの検討が必要だと考えられる。実験後に、改良版試作モデルの制作を行ない、伝熱試験を実施した結果、モデル外部から電力を15分供給した後に、電源を外してから1時間程度は、モデルの体表面温を30℃以上に保つことが確認できた。以上は、日本看護科学学会学術集会にて成果を公表した。
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