研究課題
従来の合理的な意思決定モデルでは、長期継続的に利用した場合に利用者が感じるであろう飽きやマンネリといった側面を考慮してこなかった.本研究では、繰り返しのパターンが人の感性に与えるマンネリ感(=飽きを感じる感性)をモデル化した.そして、構築したマンネリ感モデルを利用して、同種の意思決定を繰り返しおこなう場合に、利用者がマンネリを感じない音思決定の支援方法を提案し、その有効性について評価した。今年度は、3年間の研究期間のうち最終年度にあたり、主として評価実験を遂行した。また、研究全体の取りまとめをおこなった。昨年度までに開発したシステムは、具体的には、日々の食事の献立作成を例題として、利用者が過去の意思決定履歴や文脈情報を反映して、マンネリに陥らない選択肢を適切に選べるための献立推薦システムである。このシステムでは、初年度からデータ収集と分析をもとに作成した「マンネリ感モデル」を用いて、1.マンネリ度の表示機能:過去にそのユーザが作成したお弁当献立の履歴を用いて現在までのマンネリ度を算出して表示する機能と、2.マンネリ度を下げるおかずの推薦機能:マンネリ度を現在より下げることのできるおかずを検索しマンネリ度が大きく下がるものから順に表示する機能の2つを実装した。今年度は、評価実験を通じて2つの機能によりマンネリが軽減されること、作成した献立に対する満足度が向上することを確かめ、システムの有効性を確認することができた。上記の研究成果は査読付きの国際会議で発表し、論文にも掲載された。また、招待講演を含めて、国内での学会での口頭発表も複数回行った。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Proceedings of the Third International Conference on Intelligent Networking and Collaborative Systems (IEEE INCoS 2011)
巻: 1 ページ: 867-871