研究分担者 |
前田 純治 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002311)
佐賀 聡人 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90270793)
渡邉 真也 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30388136)
倉重 健太郎 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30352230)
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研究概要 |
平成22年度の研究においては,これまでの静止画像の研究に基づいて動画像圧縮の研究を行った.動画像は,MPEG規格で圧縮し配信しているが,圧縮の計算負荷が大きく計算能力の小さい通信端末には適さない.そこで本研究では,ベクトル量子化(VQ)技術に注目した圧縮研究を行った.VQによる動画像の圧縮技術の確立によって計算能力が小さく,通信速度の小さい通信端末での利用が可能となる.動画像圧縮をVQ技術に基づいて行うため可変ブロックサイズ動き補償について研究した.動画像は,一般的に1秒間に30枚のフレーム(静止画像)によって構成されている.MPEG系の動画像圧縮技術では,15枚の静止画像をグループ単位として圧縮処理を行っている.すなわち,1枚目の静止画像であるIフレームを中心として各フレームの動きを補償することによって圧縮することを基本にしている.本研究で用いる動き補償は,エンコードされているフレームから,分割したブロックごとに動画像を構成する.分割したブロックごとに最も類似したエリアを参照し,予測画像を生成する方法である.静止画像を適切なブロックサイズ(8x8,16x16画素に分割する.ブロックごとにエンコードされている前のフレームと比較することにより,対象としたブロックがどの方向にどれだけ動いたかを求める.各ブロックの動きベクトルをもとに画像を構成する.この処理によって予測画像を構成できる.本研究の可変ブロックサイズ動き補償は,簡単なアルゴリズムによって実現できた.あらかじめブロックサイズを8x8画素に固定で分割し,近傍の動きベクトルが同じ場合にはブロック結合し,動きベクトルを生成するブックの削減を行う.このときブロックサイズを64x64,32x32,16x16で結合を行った.可変ブロックサイズの実現によって動画像圧縮における動き補償ベクトルのデータ量を削減でき,計算負荷の軽減につながった.また,22年度の研究においては,静止画像圧縮のための分割ブロック融合の研究も行い成果を得ている.この研究は,可変ブロックサイズ動き補償ベクトルの研究にも応用できると考えられる.今後,この研究も進める予定である.
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