研究概要 |
競合連想ネットに統計学的学習法を適用して性能を向上させ,その工学的応用について検討することを目的とする.本年度は次の課題(1)について重点的に,(2)~(4)については準備的な取り組みを行う研究実施計画を立て,ほぼ計画通り,以下に示す成果を得ることができた. (1) 競合連想ネットの統計学的学習法の構築とその解析:バグサイズを可変とするバグ外推定による汎化能力向上を行うアルゴリズムを構築し,その解析を行った.その結果,バグサイズを可変とすることにより通常手法よりも高い汎化能力が得られ,バグ外推定により良好なパラメータの選択が行えることを示した.またベイズ法を導入する手法を提案し,汎化能力向上についての解析を行った. (2) 非線形時変プラント(シリコンウエハ洗浄液温)の制御への応用:シリコンウエハ洗浄液の温度制御において,バギング法により学習と制御の繰り返しに対する高い安定性が得られることを示した. (3) 音声時系列の区分的線形モデルによる解析と認識への応用:競合連想ネットのバギング学習結果を用いる話者認識手法を開発し,その認識率が通常のLPC法よりも向上できる原理を解明した. (4) 移動ロボットのための距離画像処理への応用:競合連想ネットにより複数の距離画像から区分的平面を抽出し各距離画像を順次位置合わせするとともに,位置合わせの累積誤差を小さくする手法を開発した.
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