研究概要 |
過去2年間の研究において,自己縮小画像コードブックとファジィ推論に基づく映像拡大アルゴリズムを確立して来た。これをより高速処理(実時間処理)するためにはFPGA等のハードウェア化と,それに対応するアルゴリズムの構築が不可欠である.それを実現することを目的として当該年度は,次の様なハードウェア化を行い実時間処理を可能とした. 高精細な画像拡大処理において,拡大時に失われた高周波成分を推定する必要があり,これまでに,局所的なエッジパターンに対する低周波成分と高周波成分の関連を予めコードブックとして事前定義しておき,新たに入力された被拡大画像に適用することで高精細な画像拡大が達成できることを提案した.しかしながら,ソフトウェア処理では演算量が膨大で実時間処理が不可能である.本年度は,コードブックを階層構造へ配置することで演算量を削減し,さらに,FPGA実装することで動画像の実時間処理達成を実現した.階層型コードブックでは,変更前の画像拡大と比較して,画像劣化無しに演算量を約40分の1へと削減でき,また,超並列構造とパイプライン処理を併用したデジタルアーキテクチャのFPGA実装により,VGAサイズの画像を約54fpsの速度で処理できた.これはソフトウェア処理と比較して約1300倍の高速化を実現可能とした.
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