研究概要 |
本研究課題「批判的図書館史研究の構築」では、以下の2つの柱を据えて、具体的に批判的図書館史研究の業績を世に問うことで、図書館学研究の全般的レベルを上げることを目的にしている。 (1)図書館史研究の学説史的研究(全体研究) (2)批判的図書館史の研究(個別各論研究) そのために吉田右子(筑波大学)、小林卓(実践女子大学)、三浦太郎(明治大学)を連携研究者に、安里のりこ(ハワイ大学)と研究協力者としてチームを組み、相関図書館学方法論研究会を設けている。 本22年度は、上記(1)「図書館史研究の学説史的研究」(全体研究)については、昨年度に研究会会員による論議を経て大枠を設定したので、川崎が具体的に執筆を完成させ、それを全体で検討した。 (2)「批判的図書館史の研究」(個別各論研究)については、「ウェイン・ウィーガンドと図書館史研究」(川崎『京都大学生涯教育学・図書館情報学研究』)、「公立図書館史研究におけるジェンダー」(吉田,Library and Information Science)、「クリスティン・ポーリーと図書館史研究」(吉田・川崎『図書館界』)を発表した。 また8月には相関図書館学方法論研究会と第2回国際図書館フォーラムを実施した。国際図書館フォーラムではアメリカや中国などからの研究者も参加して、図書館学研究について意見を交換した。なお平成23年3月に予定していた東京での研究会は東日本大震災のために実施できなかったが、本プロジェクトは予想以上のペースで進んでおり、最終年度に本研究のまとめを単行本で出版できることにまちがいはないと思われる。
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