研究概要 |
信頼性と利便性に富んだ情報探索案内サービスのためのパスファインダーの作成支援システムの実現を目指し,以下の過程を経てプロトタイプシステムの構築を行った。 1. 当該研究機関における大学生の情報探索行動の観察や,先行のユーザスタディを調査した。その上で,書籍中心の物理的情報源に加えてWeb上の電子的情報源へと導くために,パスファインダーに必要とされる項目(参考図書,検索エンジンのためのキーワード等)の選定を行った。 2. 1で選定した項目に必要な情報を収集するための信頼性の高い情報源として,Web上のパスファインダーバンク[私立大学図書館協会東地区部会企画広報研究分科会],レファレンス協同データベース[国立国会図書館]を選定し,これらに存在する複数のパスファインダーやレファレンス事例から,情報探索のためのトピックに応じた情報を自動的に収集する仕組みを勘案し,購入した演算サーバー上に実現した。また,トピックに合わせた情報が見当たらない場合に,オンライン辞書を利用する仕組みも勘案した。当該研究機関の附属図書館が有するOPACシステムからの情報収集と合わせて,パスファインダー作成時の情報収集に係る負担を低く抑える効果を有する。 3. 2の仕組みで収集した情報を,パスファインダー作成者に提示し,作成を支援するためのユーザインタフェースのデザインを行い,システムのプロトタイプを構築した。 次年度からは,上記の成果をもとに,複数の情報源から収集した情報の融合と,パスファインダー作成のための効果的な提示方法を勘案しインタフェースデザインの改良を行う。また,本来パスファインダーの作成を担う図書館の司書や教員のみならず,パスファインダーを利用する立場の大学生にも作成したプロトタイプを利用してもらうユーザスタディを実施し,研究成果として公表する予定である。
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