研究課題/領域番号 |
21500246
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐伯 とも子 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (40397055)
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研究分担者 |
宮垣 聡 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 客員教授 (60467032)
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キーワード | 知的財産情報 / 情報マネジメント / 知的財産マネジメント / 企業合併買収 |
研究概要 |
企業合併買収などの企業構造改革が必要な状況にある日本企業が、そのような企業構造改革を行う中で、イノベーションのために必要な知的財産情報のマネジメントを提案するため、企業構造改革事例として、医薬産業、化学産業などでの合併買収(M&A)の事例について分析を行った。国内企業同士、国内企業と外国企業、外国企業同士の企業M&Aの事例について、M&Aの前後の知的財産情報の変動、そのマネジメントを調査したが、その結果、M&Aの目的((1)重複資源の排除などの効率化、(2)相互補完による強化、(3)事業のスタートアップの早期化)に応じたM&A前後の情報変動とそのマネジメントの項目として、M&A前での知的財産情報の入手、知的財産の価値評価、M&A後でのグローバル出願戦略、グローバル権利管理、知的財産権利維持管理基準の統一などの項目を選定することができた。情報変動とそのマネジメント項目に沿って事例の知的財産情報マネジメントを評価したが、成功事例では、M&Aの前、及びその間を通してミーティングを多数回行うなどにより、情報交換を密に行っていることがわかった。事後での出願・権利取得維持基準や戦略などの統一には、多くの労力が必要となり、事前に両者の知的財産マネジメントのポリシーについて、知的財産マネジメント担当者が関与した意見交換、そのポリシーの擦り合わせが求められることがわかった。このことは、企業にとって知的財産マネジメントを企業構造改革の中で重要かつ優先的な事項として位置付ける必要を示すものでありM&Aをさらに進めることが求められる企業にとって有用なものである。
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