研究課題/領域番号 |
21500261
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
宮浦 國江 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (50275111)
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研究分担者 |
宮原 勇 名古屋大学, 文学部, 教授 (90182039)
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キーワード | 認知文法 / エモーション / マルチ・ストーリー・モデル / レトリック戦略 / 認知言語学 / 概念化 / コンストラクション文法 |
研究概要 |
認知言語学的立場からディスコースにおける概念化と言語化における諸問題を考察する本研究において、21年度には、知識構造としての「マルチ・ストーリー・モデル」を提唱し、日本認知言語学会で英語による研究発表を行った。ストーリーをコンストラクション[始まり-展開-終末/X]として捉え、さらに放射状カテゴリーをなしていることを示して、さまざまなレベルでの概念化と言語化の事例を考察した。特にディスコースレベルでは、いくつかの新聞記事を例に事態の進展と共に解釈が変わる、即ちあるストーリーの一部としての解釈から別のストーリーの一部としての解釈への切り替えがなされる課程を詳細に考察した。このモデルによってbrave/recklessなどエモーションの関わるレトリック戦略としての語彙選択の問題が説明できることも示した。今後ミニ・ストーリーなどこのモデルを精緻化することで、アクション・チェーンの成立、プラス評価/マイナス評価の非対称性などの説明を進めていきたい。 さらに、[X is X is X]のような一見非文と見える「逸脱的」コンストラクションの研究については、認知文法学者ラネカーが[day after day after day]構文と共に論じているため、直接意見交換の機会をもった。局所的支配と大局的支配の関わり方について示唆を得たが今後さらに考察を進めたい。また、典型的文型が必ずしも英語文法の中心ではないという指摘も、記号体系としての文法、コンストラクション文法で、さまざまな言語事象を一元的に説明していく際の重要な指標となった。 本研究の月例研究会では、21年度は、認知文法書の精読とともに、V-ingの品詞論、「繰り上げ」構文の認知文法的分析、味覚表現、色彩語の意味拡張などを考察した。
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