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2010 年度 実績報告書

主観的感情強度の時間変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500265
研究機関広島国際大学

研究代表者

岩城 達也  広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (70341229)

キーワード感情 / 時間特性 / 主観的体験 / 脳波活動 / 心理生理学
研究概要

平成22年度は昨年度行った予備実験を踏まえて、快または不快感情を喚起する匂い刺激を提示し、セッション中の主観感情強度変化をノブ型装置により、また、生理指標として脳波を継時的に記録した。匂い刺激を呈示すると、主観的感情強度は刺激後30s程度まで上昇し、その後一定強度を保った。快不快による大きな違いはみられなかった。脳波については、左右差指数から不快条件のときに右前頭部が相対的に賦活することが示され、前頭部の感情側性化モデルの賦活パタンと一致した。さらに、左右前側頭部位間のコヒーレンスは、不快感情を喚起する匂い刺激呈示に伴い低下した。コヒーレンスの低下は部位間の関連性の低さを示すことから、不快条件では、刺激呈示に伴い左右前頭部のそれぞれが、より独自に機能している可能性があった。また、不快条件における特徴はゆらぎ係数においても確認できた。不快条件のゆらぎ係数は、その他の条件よりも大きく、従来のゆらぎのモデルを支持した。
次に、匂い刺激に代えて画像刺激を用いて実験してみると、感情状態に伴う前頭部の脳活動に左右差は確認できなかったが、刺激呈示開始直後のコヒーレンスやゆらぎ係数の変化が認められ、このことが刺激提示に伴う一過的な応答に対応したものと考えられた。さらに、感情喚起画像の提示時間操作し(60ms、600ms、6s、60s)、条件間で比較してみる実験を行った。主観評価では提示時間に関らず画像提示中は主観感情強度も一定の変化を示した。一方、生理指標ではどの条件でも画像提示に伴い一過的な覚醒反応が認められた後、緩やかに低下するといった定位反応と慣れの文脈が当てはまった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 喚起感情の心理生理学的計測と評価2010

    • 著者名/発表者名
      岩城達也
    • 学会等名
      第12回日本感性工学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2010-09-13
  • [学会発表] 快不快感情に対応した前頭部脳波活動の探索2010

    • 著者名/発表者名
      岩城達也・野代美香
    • 学会等名
      第15回認知神経科学会
    • 発表場所
      松江テルサ
    • 年月日
      2010-07-18
  • [学会発表] 匂い刺激提示に伴う快不快感情の時間変化2010

    • 著者名/発表者名
      岩城達也・高原義史
    • 学会等名
      第28回 生理心理学会大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2010-05-16

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公開日: 2012-07-19  

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