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2011 年度 実績報告書

主観的感情強度の時間変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500265
研究機関広島国際大学

研究代表者

岩城 達也  広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (70341229)

キーワード感情の時間変化 / 感情S1-S2パラダイム
研究概要

これまで感情の時間変化を明らかにするために、感情喚起刺激の提示時間を操作して、感情の主観応答を検討してきた。平成23年度は、刺激が誘引した感情状態に対して、新たな感情喚起刺激をプローブとして提示した。
実験1では先行画像として快、不快及び中性画像のどれか一つを提示中に、新たな画像を後続画像として提示した。先行画像がもたらす感情の喚起、持続、消失の各フェイズ(0.2s、8s、20s)において後続画像を提示することで、生じる感情応答を提示フェイズ間で比較した。これまでと同様にノブ型装置を用いた主観感情評価の時間変化を検討してみると、先行画像と後続画像刺激が同一条件の場合は、後続画像に対する主観評価(回転量)が抑えられていた。これは後続画像刺激に対する慣れによるものと考えられた。先行画像と後続画像が異なる場合は、先行画像の快画像の提示時間が0.2s条件において後続画像に対する不快評価が低下した。このことは、快感情が十分に認識できる場合に不快刺激が与えられると、その際に生じる不快感情はリバウンド現象のように増強する可能性を示唆した。
続いて、実験2では時系列的な感情変化に注目して、感情S1-S2パラダイムを感性情報の評価に用いることを試みた。感情S1-S2パラダムではS1(手掛り刺激)とS2(標的刺激)の2つの刺激を系列として提示した。この課題は標的刺激が感情を喚起する刺激であり、手掛り刺激は到来する標的刺激の感情内容に関する暗黙の期待を導く刺激である。この刺激パラダイムに伴う刺激先行陰性電位(SPN)や後期陽性電位(LPP)を計測することで、感情画像の予期や期待に関連した脳波活動を検討した。その結果、SPNは到来画像への顕在的な期待を反映し、LPPは期待と到来画像との整合性を反映することを示唆した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Application of the Emotional S1-S2 Paradigm for Evaluating Kansei Information Using Brain Potentials2011

    • 著者名/発表者名
      Iwaki, T
    • 雑誌名

      Proceedings of 2011 International Conference on Biometrics and Kansei Engineering (ICBAKE)

      ページ: 155-160

    • DOI

      10.1109/ICBAKE.2011.18

    • 査読あり
  • [学会発表] 快不快感情に伴う前頭部脳波活動の変化2011

    • 著者名/発表者名
      岩城達也
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 感情S1-S2パラダイムに伴う事象関連電位を用いた感性計測手法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      岩城達也・北川優大
    • 学会等名
      第13回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      工学院大学
    • 年月日
      2011-09-03
  • [学会発表] 感情喚起画像の提示時間の違いによる快不快感情の時間変化2011

    • 著者名/発表者名
      岩城達也
    • 学会等名
      第29回生理心理学会大会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      2011-05-21

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公開日: 2013-06-26  

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