研究概要 |
研究者代表者の所属する研究室において,本研究での計算処理のため,新規に計算機を導入するとともに,導入より年度が経過し,計算処理の著しく低い既存計算機を改修し,計算機能を更新して新たな計算機群を構築し,ネットワーク環境,ファイルサーバー環境を調整することにより分散計算環境を構築した。これらの計算機群のOSとしてはRedHat系Linuxパッケージの一つであるFedora12を採用することとし,C,Fortran言語等のコンパイラ環境を整えるほか数値計算ライブラリを使える開発環境を整備し,MPI準拠の分散並列計算環境としてLAMを導入することにより当該研究の開発基盤を整備した。この計算環境の整備の際には,モンテカルロ法を応用基盤としてシミュレーション的技法に関するタスクの分割と代行の観点について検討を行った。ここでは,基本的にはワークプール法と時間予測法の効率の観点,ならびに今後の実験環境下でのネットワーク障害への対応方法に関わる検討を行うことにより,並列プログラム実行時の基礎環境としての確認を行っている。 さらに,並列アルゴリズムに関する検討として,離散データ解析における正確推測法における例数列挙法の並列化に関するアルゴリズムを検討し,その実装化を行った。加えて,ロジスティック回帰モデルに基づく回帰パラメータの正確推測の検討においては,局外母数での最適化について,目的関数の不連続性や多峯性に伴う最適解の大域的探索が重要な問題点である事を確認した。このため,基本となる最適化アルゴリズムと大域解探索戦略に関わる既存手法のレビューを行い,その並列化に関する検討を行った。このうち並列化の観点,線形モデルの探索の観点について,それぞれシンポジウムで,成果の一部を発表した。
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