| 研究概要 |
本研究は,人工衛星で観測される磁気圏プラズマ速度データの統合的な分析を行うための種々の問題解決が目的である.このデータの形式は「離散×不等間隔×方角データ×擬頻度×非対称分布×ノイズ的データの存在×欠損領域×複数成分×大規模×時系列」というこれまでの統計学が個々に扱ってきたデータ形式が混合した,非正則・非典型データである.これらの各要素は正則化等の変換により従来の統計手法で分析することができるが,分析手法を単に組み合わせただけでは十分有意な情報抽出はできない.本研究はこれらの個々の問題解決を順次行い,時空間統合モデルを作り,究極的には人工衛星搭載可能なソフトウェア開発を行うことが目的である.
データは離散型の角度データで,<角度情報,速度,頻度>という形式をしている,しかし分析の際に頻度は座標に伴う物理量で変換するために,実数値の「擬頻度」となり,これは方角データを基礎とする多変量データとなる.過去の研究では速度が0付近の領域は事実上観測不能であるために,この欠損領域をモデリングしたが,今年度は高速部分でみられる欠損に関してもモデリング進めた.また,擬頻度データに対する混合分布モデルを構築し,物理的な重みと成分分布の重み,さらに座標変換に関する重みのモデリングを行った.
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