研究概要 |
本研究の目的は,データ解析システムにおけるコラボレーション支援機能の提案を行い,その機能の設計と実装を行うことである.開発したシステムを,多くのユーザがインターネットを利用して自由に使用できるようにすることによって,本研究で考えている支援機能の有効性を検証することも目的のひとつである. 昨年度の研究によって,本研究で想定しているクライアントプログラムとサーバプログラムとの通信には,Webサービスを利用することが適当とした.そこで,本年度は,データ解析のコラボレーション支援機能のために必要なことを踏まえたうえで,Jaspのサーバプログラムとクライアントプログラムとの通信にWebサービスを利用することについて検討を行った.Jaspとは,われわれが開発を行っている汎用のデータ解析ソフトウエアであり,本研究で計算エンジンとしての利用を考えているものである. Jaspは,サーバ/クライアント型のシステム構成となっているが,複数のクライアント間で情報の共有と同期を行うことは考えられていない.これをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)を基本とする通信よって行うことについての検討を行った.そこで,情報の共有にはRESTful Webサービスを使用すること,情報の同期にはプッシュ型の通信を行うことが適当であるということとなった. RESTful Webサービスについては,サンプルプログラムを作成して,本研究で想定している機能を実現できることを確認した。これには,Java言語とhttp://jersey.java.net/で公開されているjerseyを利用した. HTTPを利用したプッシュ型の通信については,ActionScriptとAdobe社がオープンソースソフトウエアとして公開しているBlaseDSを利用したサンプルプログラムを作成した.これらは,本研究で想定しているJava言語による実装ではないので,さらに調査が必要である.
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