研究概要 |
本研究の目的は,脳で実現される適応運動制御機構を計算機に実装できる程度に理解し,ロボット等の実機モータ制御に応用することにある.これにより,小脳を中核とする運動の制御と学習に関する神経科学的理解が進むと同時に,生物と同等の運動学習機能を有する新たなモータ制御やロボット制御技術の開発に繋がるものと期待できる. 前年度までに以下の研究項目を実施した: 1)小脳皮質神経回路による感覚-運動情報変換能力の理解 2)運動学習を駆動する誤差信号の性質の評価 3)小脳内抑制性介在細胞と各種シナプス可塑性の役割評価 4)小脳型ロボットコントローラの有効性評価 最終年度である今年度は,以下の研究項目を実施した: 5)小脳BMIによるロボット制御の実現性評価 すなわち,上記1)を進める上で不可欠であり,既に本研究室で確立している小脳神経細胞活動測定技術を用い,小脳の出力細胞(Purkinje細胞)活動により,4)と同様の倒立2輪ロボットの適応制御実現性を明らかにした.
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