研究課題
神経可塑性関連遺伝子Arc(またはArg3.1)は、大脳において神経活動に高感度に応答する神経特異的前初期遺伝子であり、同じく前初期遺伝子に属するc-fosやzif268と共に神経活動マーカーとして免疫組織化学やin situ hybridization(ISH)等に頻繁に利用されている。近年、Arc/Arg3.1タンパクはエンドサイトーシス過程に関与してグルタミン酸受容体動態の制御因子として働くことが示され、神経可塑性や神経ネットワークの恒常性、更に記憶・学習過程に関わる因子としても注目を集めている。本研究では、このArc/Arc3.1の活動依存的発現機構を解析し、シナプスから核へのシグナルカップリング機構およびArc/Arc3.正発現の生理的意義を明らかにすることを目的として生化学的・分子生物学的および生理学的解析を行う。平成22年度は、Arc/Arg3.1プロモーターのシグナリング特性を明らかにするため、ゲノム上の転写調節エレメントへの変異導入操作等による解析を行った。また平行して遺伝子発現レポーターウイルスの開発・改良を行い、レポーター性能の高感度化を試みた。さらに、Arc/Arc3.1プロモーターを利用したArc/Arc3.1タンパク動態レポーターを作成し、これをラット初代海馬培養細胞にて活動依存的に発現させてライブイメージングを行うシステムを構築し、Arc/Arc3.1タンパクの樹状突起スパイン部における神経活動依存的な動態変化の解析を行った。
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