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2010 年度 実績報告書

幼弱期の学習行動と脳の可塑的発達

研究課題

研究課題/領域番号 21500304
研究機関北里大学

研究代表者

浜崎 浩子  北里大学, 一般教育部, 教授 (00211483)

キーワード刷み込み行動 / インプリンティング / visual Wulst / IMM / NMDA受容体 / 電気生理 / 記憶・学習 / ニワトリ
研究概要

昨年度までの研究で、chickの視覚的刷り込み行動(インプリンティング)には、終脳のvisual Wulst(哺乳類の大脳皮質視覚野に相当)から、記憶貯蔵領域であるIMM(哺乳類の大脳皮質連合野に相当)に至る神経回路が重要であり、この回路の中継地であるHDCoと名付けた領域の神経細胞が可塑的に変化して活性化されることが刷り込み行動の成立に重要であることを示した。
今年度は、この成果を踏まえて脳スライスを作成して神経活動の光学的イメージング法を用いてさらに解析した結果、VWからIMMへの神経情報伝達の促進は、学習(トレーニング)直後からみられることが明らかになった。学習後にはHDCo細胞に長期増強(LTP)が起きており、HDCo細胞に高頻度の電気刺激を与えることでも、これとよく似た長期増強が観察された。そこで、HDCoの単一神経細胞レベルでのシナプス応答の変化に注目して解析した。その結果、学習によって起きる長期増強はNMDA受容体依存的であり、特にNR2Bサブユニットの機能が促進されることによるが、電気刺激によって惹起される長期増強は、非NMDA型のグルタミン酸受容体の機能が直接亢進されることで起きることが明らかになった。
以上の結果から、刷り込み行動の成立にはVW-IMM回路の中の、HDCo細胞において長期増強が起きることが重裏であり、これにはNR2Bサブユニットを含んだNMDA受容体の機能亢進が関与していることが明らかになった。一方、電気刺激によって起きる長期増強では、必ずしもNMDA受容体を介した反応の変化が起きているわけではなく、in vivoにおける生理的変化を必ずしも反映していないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Genetic approach to dissect the role of BDNF on visual imprinting in chicks.2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木啓子, 他
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-04
  • [学会発表] NR2B dependent LTP is required for the visual imprinting.2010

    • 著者名/発表者名
      中森智啓, 他
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.clas.kitasato-u.ac.jp/bio/personal/hamazaki/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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