研究概要 |
電子顕微鏡を用いた定量的な分子局在解析は、高い空間解像度を持ち、生理学的機能計測法と組み合わせることにより、細胞レベルの現象を分子生物学的に理解するために必須な知見を提供できる。中でもSDS-digested freeze-fracture replica labeling method(SDS-FRL法)は、2次元的に広がる細胞膜上の分子局在を定量的に解析することが出来、既存法の欠点を補完できることを示してきた。しかし現状では、幾つかの技術的制約によりその適用範囲は狭い。そこで本研究では、SDS-FRL法の技術基盤の強化を行い、より多種の分子に対応できる技術にする。 1)凍結組織割断時の分子分配様式の解析 分子生物学的解析で広く用いられているペプチド配列タグ(FLAG,myc,HA,AU1など)、或いは緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光タンパク質タグを細胞内外に持つレポーター分子を作製し、年度中にこれらタグを発現する遺伝子改変マウスとラットを作製した。 2)凍結割断レプリカ膜で複製された細胞質側脂質膜面(P-face)の分子定量性の向上。 グルタミン酸受容体抗体に関してa)SDS処理条件と、b)抗原賦活化の前処理、c)ブロッキング、d)抗体反応条件を最適化した。
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