研究課題/領域番号 |
21500325
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
安井 幸彦 島根大学, 医学部, 教授 (30174501)
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研究分担者 |
津森 登志子 島根大学, 医学部, 准教授 (30217377)
横田 茂文 島根大学, 医学部, 助教 (50294369)
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キーワード | 視床下部 / 結合腕傍核 / オレキシン / グルタミン酸 / シナプス / ラット / 摂食行動 / 神経回路 |
研究概要 |
本研究では、視床下部レプチン・メラノコルチン系摂食回路を構成するニューロンへの内臓感覚入力様式を形態学的に探索し、内臓感覚による摂食行動の修飾機構の解明に迫ることを目的とした。本年度は、視床下部へ内臓感覚情報を送る結合腕傍核からオレキシン含有ニューロンへの投射様式を、ラットを用いて光顕的および電顕的に解析した。 まず、コレラトキシンBサブユニット(CTb)を用いた逆行性標識法によって、視床下部のオレキシン含有ニューロンの密な分布域に投射する結合腕傍核ニューロンが外側結合腕傍核に多数存在する所見を得た。そこで、外側結合腕傍核に順行性標識物質ビオチン化デキストランアミン(BDA)を注入し、組織化学的に標識線維および終末を検出後、オレキシン陽性ニューロンを免疫組織化学によって検出した。その結果、BDAで標識された外側結合腕傍核からの投射線維終末野とオレキシン免疫陽性ニューロンの分布域が脳弓の背内側部で強く重なることを見出した。さらに、この領域内で、外側結合腕傍核からの線維終末がオレキシン免疫陽性ニューロンの細胞体や樹状突起と非対称性のシナプスを形成することを発見した。また、CTbを用いた逆行性標識法と小胞性グルタミン酸トランスポーター2(VGLUT2)に対するin situhybridizationを併用することによって、視床下部に投射する外側結合腕傍核ニューロンのほとんどがVGLUT2陽性であることが判明した。 以上より、視床下部のオレキシン含有ニューロンは、グルタミン酸を伝達物質とする外側結合腕傍核ニューロンによって、興奮性の影響を受けることが示唆された。
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