研究概要 |
1.DSRedとGFP標識のエストロゲン受容体α、β、アンドロゲン受容体、グルココルチコイド受容体のcDNAを作成し、これらをCos7,HeLa細胞内にtransfectionして、性ステロイドによるステロイド受容体の核内移行のリアルタイムイメージ撮影に成功した。また同時にHAP1cDNAを細胞内導入し、HAP1がstigmoid body(STB)を形成するとそれぞれのステロイド受容体のリガンド結合領域と細胞質で結合し、特にアンドロゲン受容体とグルココルチコイド受容体については受容体全長でもHAP1/STBに吸着することが初めて証明された。リガンド投与後の核内移行機能については維持され、機能阻害ではなく抑制的制御であると考えられた。これらの結果はまとめて英文論文掲載に至った。 2.海馬のAR、ERα、ERβ、GRの分布を雌雄ラットで検討した。雄で強い反応性を示すARは主としてCA1錐体細胞に、有意な雌雄差のないGRは優位な雌雄差なく歯状回穎粒細胞とアンモン角錐体細胞に成熟神経細胞として分布していた。ERαは有意な雌雄差なく散在性に、主として歯状回顆粒細胞下層とアンモン角網状分子層に分布し、殆どがHAP1/STB陽性で60-70%がGABA陽性を示すsporadically lurking cells(SLH cell)として同定された。ERβの発現は見られなかった。これらの結果はまとめて英文論文掲載に至った。 3,性腺・副腎摘出雌雄ラットに、ADX+OCX+oil、+testosterone(T),+17β-estradiol(E2),+dihydrotestosterone(DHT)を投与して脳内ERα,ARの発現を検討し、ERαがE2とTにdown regulationを示し、ARがTとDHTにup-regulationを示す事を明らかにした。現在、論文作成中。
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