• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

マウス前脳コンパートメント形成に関わる分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21500333
研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

井上 高良  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第六部, 室長 (20370984)

キーワード脳・神経 / 遺伝子発現制御 / ゲノム / 細胞・組織 / 発生・分化 / トランスジェニックマウス / 細胞接着
研究概要

本研究は、申請者らのこれまでの研究でマウス発生初期胚に認められることが確認された『前脳コンパートメント』の形成過程に対応して発現するPax6等の転写因子群が、同じく前脳コンパートメントに符合して発現する細胞接着分子カドヘリン6(Cdh6)をどのように制御するのか、また、それら前脳特異的な遺伝子発現様式が脳領域性の形成や維持にどのような役割を果たすのか、申請者固有の解析技術を効率良く組み合わせて解き明かすことを主目的としている。
平成23年度においては前年度に引き続き約175kbのCdh6ゲノム領域をカバーする細菌人工染色体(BAC)にレポーター遺伝子を組み込んだコンストラクトから任意のゲノム断片を相同組換えの原理を用いて体系的に削除し、順次マウス受精卵前核へ注入してトランスジェニック(Tg)マウス個体を作出した。そして、どのゲノム断片除去が前脳コンパートメントに対応したCdh6発現に影響を及ぼすのか、各BAC-Tgマウス胚内で検定したところCdh6遺伝子転写開始点上流40kb付近に位置する110bpのゲノム領域がCdh6の前脳コンパートメント特異的な発現に必要なことが見出された。この110bp断片がコンパートメント特異的な発現に十分かどうかをレポーター遺伝子に直接連結して検証したところ、断片単独では発現を再現できない一方で、隣接するゲノム領域を含めると安定転写活性を有することが判明し、これら双方に含まれるPax6とは異なる転写因子が結合するシス領域の協同作用がCdh6の前脳コンパートメント特異的な発現に重要であることが示された。本研究成果は、精緻な神経系の領域性獲得過程における細胞・分子機序を理解するのに際し、当初の予想とは異なる新規解析基盤を明示するため、きわめて意義深い。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cadherin-6 mediates axon-target matching in a non-image-forming visual circuit2011

    • 著者名/発表者名
      Osterhout JA, Josten N, Yamada J, Pan F, Wu SW, Nguyen PL, Panagiotakos G, Inoue YU, Egusa SF, Volgyi B, Inoue T, Bloomfield SA, Barres BA, Berson DM, Feldheim DA, Huberman AD
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 71 ページ: 632-639

    • DOI

      DOI:10.1016/j/neuron.2011.07.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bacterial artificial chromosomes as analytical basis for gene transcriptional machineries2011

    • 著者名/発表者名
      Asami J, 他4名
    • 雑誌名

      Transgenic Research誌

      巻: 20 ページ: 913-924

    • DOI

      10.1007/s11248-010-9469-3

    • 査読あり
  • [学会発表] マウスカドヘリン6遺伝子発現制御様式から同定された生後大脳皮質における遺伝的コンパートメントの存在2011

    • 著者名/発表者名
      井上高良, 他3名
    • 学会等名
      第34回日本神経科学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] SOX10-VENUSマウスを用いた神経堤由来細胞とオリゴデンドロサイトの解析2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木亮太, 他6名
    • 学会等名
      第34回日本神経科学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [図書] Bacterial Artificial Chromosomes (Chapter 7 ; pp103-118)2011

    • 著者名/発表者名
      Terakawa YW, 他3名
    • 総ページ数
      136
    • 出版者
      InTech
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_diag/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi