研究課題/領域番号 |
21500336
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊東 秀文 京都大学, 医学研究科, 講師 (20250061)
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研究分担者 |
高橋 良輔 京都大学, 医学研究科, 教授 (90216771)
河本 恭裕 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40335253)
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キーワード | HtrA2 / ノックアウトマウス / Parkinson' s disease |
研究概要 |
本研究の目的は、第13番遺伝性パーキンソニズム(PARK13)の感受性遺伝子と考えられるHtrA2が細胞死を惹起する機序を解明することである。この目的のため、われわれはHtrA2ノックアウトマウスを作成し、その行動解析と病理学的・生化学的解析を行う計画を立てている。 平成21年度においてわれわれはまず、HtrA2ノックアウトマウスのheterozygoteをオス1匹に対しメス2または3匹の割合で10組かけ合わせ、91匹の仔を得た。 遺伝子型の内訳はwild type(wt:+/+)は25匹(オス:15匹、メス:10匹)、ノックアウト(ko: -/-)は16匹(オス:9匹、メス:8匹)、heterozygote(ht: +/-)は49匹(オス:26匹、メス:23匹)であった。 生後10日目から体重測定を開始したが、14日目以降からkoにおいてのみ体重増加が認められず、生後30日でサンプリングするまで7.5g前後で推移した。これに対し、htはwtと同様の体重増加を示した。 生後30日の時点でsacrificeし、脳・肝臓・心臓・骨格筋を免疫組織学的および生化学的解析の為に採取した。 現在までに行ったパイロット研究の結果、koマウスの脳においてミトコンドリア呼吸鎖複合体IVのサブユニットCOX IおよびCOX IVのタンパク量の顕著な低下が認められた。これらのタンパクはミトコンドリアDNA(mtDNA)によってコードされているが、核がコードする複合体IのサブユニットNDUFA9の発現量には変化が見られなかった。 脳から単離したmtDNAの解析でもkoマウスにおいてのみ、その異常を示唆する結果が得られつつあることから、今後はHtrA2の欠損によるミトコンドリアの異常およびそのmtDNAに及ぼす影響について解析を進める予定である。
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