研究概要 |
申請者らが独自に開発したフェニルチオシクロペンテノン誘導体(GIF-0642, GIF-0643)はC6細胞でグリア細胞由来神経栄養因子など種々の神経栄養因子の発現を転写依存的に増加させ、MAPキナーゼ経路の種々のキナーゼのリン酸化を亢進した。ビオチン化GIF-0642を合成しpull-downアッセイ法によりGIF-0642がMAPキナーゼ経路のシグナル分子に結合するかどうかを検討した結果、化合物がRafに直接結合することが示唆された。一方、フェニルチオシクロペンテノン化合物のin vivoにおける有効性についてGIF-0642をマウスの腹腔内に投与し、RT-PCR法により種々の神経栄養因子発現に及ぼす影響を検討したが、GIF-0642は効果を示さなかった。今後、化合物の投与量、溶剤の種類、投与法などの検討を要する。
|