研究課題/領域番号 |
21500354
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
渡辺 泰男 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (10273228)
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研究分担者 |
神戸 敏江 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (80276625)
宮本 嘉明 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (20449101)
野崎 直仁 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70222198)
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キーワード | レドックス / カルモデュリンキナーゼ |
研究概要 |
細胞は様々なレドックス反応「レダクション(還元)とオキシデイション(酸化)」を基本として維持されている。近年、このレドックス代謝に異常を起こすことが、脳神経変性疾患等の種々の疾患に密接に関与している可能性が強く指摘されている。一方、脳神経系において、神経成長、成熟に関わる細胞内情報伝達はカルシウム/カルモデュリン(Ca2+/CaM)によって活性化されるリン酸化酵素、CaMキナーゼが絡んでいる可能性が示唆されている。しかし、これまでに、脳神経疾患をCaMキナーゼのレドックス応答性に着目して行われた研究はない。 そこで、本研究課題では中枢神経病体におけるレドックスの関与ならびにCaMキナーゼIのレドックス応答性の分子基盤を解析することを目的とした。本年度は、1) 臨床上治療可能なマイルドなクモ膜下出血モデルラットの脳底動脈において、虚血シグナルで活性化される細胞エネルギー恒常性を制御するリン酸化酵素と酸化ストレス(一酸化窒素信号系)の相互作用ならびに酸化ストレスによる外膜特異的な炎症シグナルを見いだし、酸化ストレスによるクモ膜下出血の分子病体を考察した。また、2) CaMキナーゼIのCys179のグルタチオン付加(グルタチオン化)による可逆的な酵素活性阻害機構を明らかにするとともに、細胞内での一酸化窒素信号系の相互作用発見を通して、生理的意義を示唆した。さらに、本酵素の酸化ストレス感受性をマウス脳を用いて明らかにした。
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