平成22年度は、研究代表者が研究機関を異動しての最初の研究年度であった。研究代表者が異動した部局は、文教大学に新設された学部であり、研究機関におけるバイオサイエンスを本格的な研究対象とする初めての学部である。研究を実施するための設備は大部分は設置時に備わっていたが、学内規程の整備など、研究を実施するためのインフラストラクチャーの整備に研究時間の相当部分を使った。本研究を行うためには実験を承認するための機関内の委員会等が必要であり、平成21年度に所属していた研究機関である群馬大学では本研究計画に関わる遺伝子組換え実験や動物実験に関わる動物実験委員会が設置されていた。しかし、新たな所属研究機関である文教大学においてはこれら委員会が設置されなかったため、申請者が中心となって、委員会規程・実験細則等を立案し、学部教授会に働きかけ賛同を得たのち、文教大学大学審議会の議を経て、学長の発議によって全学の組織として、平成22年11月に、文教大学動物実験委員会と文教大学遺伝子組換え実験安全委員会の設置を行った。平成22年12月に両者の教育訓練を行った。本研究計画はどちらの委員会おいても一番に付議された研究計画となり、それぞれの委員会の審議を経て、平成22年度内に学長承認を得た。平成22年12月に前所属機関である群馬大学学長から遺伝子組み換え体の譲渡の承認を受け、平成23年2月に群馬大学から文教大学にグルタミン酸受容体の遺伝子改変マウスを輸送した。これは、研究のために必要な課程であり、研究成果が形となって現れるのは平成23年度からになる。
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